価値を高める!マグネシウムの熱伝導率を活かす3つのポイント

マグネシウム部品

マグネシウムの熱伝導率とは、マグネシウム合金が熱を伝える能力を数値で表した指標です。数値上の熱伝導率だけで判断すると、製品の寿命や性能を損なうリスクがあります。

放熱性能は素材自体の熱伝導率だけでなく、製品の密度や表面面積、最新の成形技術を組み合わせた「トータル設計」で決まります。以下が、マグネシウムの放熱ポテンシャルを最大限に引き出し、軽量化と冷却性能を両立させるためのポイントです。

  • ポイント①合金の成分比率を最適化する
  • ポイント②薄肉化による放熱面積の拡大を図る
  • ポイント③表面処理で熱放射率を向上させる

この記事では、アルミニウムや他素材との熱伝導率比較や、マグネシウム熱伝導率をより引き出すためのポイントを網羅的に詳しく解説します。また、よくある質問も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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アルミニウムや他素材との熱伝導率の比較

設計者が素材の選定を行う際、頻繁に比較されるのがアルミニウムです。アルミニウムの熱伝導率は約230W/(m・K)であるのに対して、一般的なマグネシウム合金(AZ91D)は約50〜70W/(m・K)程度に留まります。

数値だけを見るとアルミニウムが圧倒的に有利に見えますが、設計上の重量比で考えると評価は一変します。マグネシウムは、アルミニウムの約3分の2の密度であるため、同じ重さであればマグネシウムの方が体積を大きくでき、放熱面積を稼げるためです。

なお、主要金属の特性比較表は、以下のとおりです。

◆主要金属の特性比較表

素材熱伝導率(W/(m・K))比重(g/㎤)比強度
純マグネシウム1561.74
マグネシウム合金(AZ91D)721.81
アルミニウム合金(ADC12)922.70
純アルミニウム2362.70

この比較表からわかる通り、純金属に近い状態ほど熱伝導率は高くなりますが、構造材としての強度が低下します。製品の要求仕様に合わせて、どの物性を優先すべきかを慎重に判断しなければなりません。

また、マグネシウムは電磁波シールド性にも優れており、通信機器などの熱対策とノイズ対策を同時に行いたい場合には最適な選択肢です。素材の弱点を補いつつ、強みを活かす設計ノウハウが求められています。

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マグネシウムの熱伝導率をより引き出すための3つのポイント

マグネシウムの特性を最大限に活かすためには、単に素材を置き換えるだけでは不十分です。設計段階から素材のポテンシャルを引き出すための工夫を凝らすことが、製品の付加価値を高める鍵となります。

◆マグネシウムの熱伝導率をより引き出すための3つのポイントの概要図

◆マグネシウムの熱伝導率をより引き出すための3つのポイントの概要図

それぞれについて詳しくみていきましょう。

ポイント①合金の成分比率を最適化する

純マグネシウムの熱伝導率は高いですが、強度が不足するため、実際にはアルミニウムや亜鉛を添加した合金が使用されます。添加元素の種類や量によって熱伝導率は大きく変化するため、強度と熱性能のバランスを考慮した合金選定が不可欠です。

たとえば、ダイカストで一般的に使用されるAZ91Dよりも、熱伝導率を優先した特殊な合金を採用すれば、放熱効率をさらに向上させられます。用途に合わせて最適な素材を選択することが、設計の第一歩となります。

なお、マグネシウムとアルミの強度を最適化するコツについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:軽量化の鍵!マグネシウムとアルミの強度を最適化する3つのコツ

ポイント②薄肉化による放熱面積の拡大を図る

マグネシウムは、チクソモールディング(半凝固射出成形)などの技術を用いることで、非常に薄い肉厚での成形が可能です。肉厚を薄くすることで筐体全体の熱容量を抑え、外部への熱伝達をスムーズにする効果が期待できます。

また、成形自由度の高さを活かして、限られたスペース内に高密度な放熱フィンを配置することも大切です。表面面積を最大化すれば、空気中への熱放出を促進して、内部温度の上昇を効果的に抑制できます。

なお、チクソモールディングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:チクソモールディングとは?マグネシウム成形技術のメリット・デメリットをご紹介!​

ポイント③表面処理で熱放射率を向上させる

金属そのものの熱伝導だけでなく、表面からの「熱放射」に着目することも忘れてはいけません。適切な塗装や皮膜処理を施すと、遠赤外線の放射率を高め、空冷効率を飛躍的に向上させられます。

マグネシウムは防錆のための表面処理が必須ですが、その工程を放熱対策と兼ねることでコストパフォーマンスを高められます。熱を伝える「導熱」と熱を逃がす「放熱」の両面からアプローチすることが成功の秘訣です。

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マグネシウム熱伝導率を活かした設計なら「株式会社藤岡エンジニアリング」

マグネシウム熱伝導率を活かした設計なら「株式会社藤岡エンジニアリング」

「株式会社藤岡エンジニアリング」は、アルミやマグネシウムの精密部品製造において、最適な素材選定と高度な成形技術の両立が可能です。同社は、創業70年を超える歴史の中で培った確かな技術力を持っており、アルミダイカストやマグネシウムチクソ成形における豊富な実績を誇っています。

また、金型の設計から製品の仕上げまで一貫して対応できる体制が強みです。軽量化への挑戦や難形状の実現でお困りの際は、お気軽にご相談ください。高品質なモノづくりを通じて、お客様の製品価値を最大化するソリューションを提案します。⇒株式会社藤岡エンジニアリングへのお問い合わせはこちら

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マグネシウムの熱伝導率でよくある3つの質問

マグネシウムの熱伝導率でよくある質問をご紹介します。それぞれ詳しくみていきましょう。

質問①マグネシウム合金は熱がこもりやすいのでしょうか?

数値上の熱伝導率はアルミニウムより低いため、単純な比較では不利に見えます。しかし、マグネシウムは比熱が小さく、温まりやすく冷めやすいという独特の性質を備えています。

一時的な熱負荷に対してもクイックな反応を示すため、適切な熱設計を行えば熱がこもる心配はありません。薄肉成形で表面積を稼げる強みを活かすのが正解といえます。

質問②高温環境下での強度はどのように変化しますか?

マグネシウム合金は、一般的に150℃を超えると強度が低下し始める傾向にあります。これは、金属の物理的特性によるもので、高温下での変形しにくさを維持することが設計上の大きな課題です。

標準的な合金では、十分な耐久性を確保できないケースも多いため、事前の素材検討が欠かせません。しかし、近年はカルシウムや希土類を添加した耐熱合金の開発が飛躍的に進んでいます。

この技術革新により、200℃を超える過酷な環境下でも、高い剛性と安定性を保てるようになりました。適材適所の素材選定を行うことで、軽量化と耐熱性の両立は十分に可能です。

質問③放熱板として使用する場合のコストは高いですか?

材料単価はアルミニウムより高めですが、製品全体のトータルコストで評価することが不可欠です。マグネシウムは、薄肉一体成形に優れており、複数のパーツを1つに統合することで部品点数を劇的に削減できます。

結果として、組立工数や管理コストを大幅に引き下げ、最終的な製品価格を抑えられます。さらに、大幅な軽量化によって輸送時の燃料消費を抑え、環境負荷を低減できる点も無視できないメリットです。

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マグネシウムを活用して製品価値を高めよう!

マグネシウム熱伝導率の特性を深く理解して、適切な設計アプローチを実践すれば、製品の軽量化と熱対策を高いレベルで両立させられます。素材の強みを活かし切る設計は、競合製品には真似できない圧倒的な価値をユーザーに提供できます。マグネシウムの熱伝導率をより引き出すためのポイントを意識して、設計を進めましょう。

  • ポイント①合金の成分比率を最適化する
  • ポイント②薄肉化による放熱面積の拡大を図る
  • ポイント③表面処理で熱放射率を向上させる

マグネシウムを採用することは、単なる素材変更ではなく、製品の未来を切り拓くための戦略的なステップとなります。

なお、「藤岡エンジニアリング」では、軽くて丈夫なマグネシウムやアルミの精密部品製造から金型設計・製作まで一貫して対応し、お客様のニーズに最適なソリューションを提供しています。高品質な製品をお求めの場合は、ぜひ一度ご相談ください。⇒藤岡エンジニアリングへのお問い合わせはこちら

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